2010年9月28日火曜日

尖閣諸島問題を考える  2010.9.28


                撮影:9月25日



尖閣諸島での事件について書いておきたい。
読者の皆さんはこの事件で何を思い、どう考えているだろうか。



土日にtwitterで情報収集したり、TVを見た限りでは、おおよそ3つの
意見に集約されていた。

1.尖閣諸島は日本固有の領土であり、侵犯してきた中国漁船が悪い。
  船長逮捕は当然であり、圧力をかけられた結果、釈放するのは
  腰が引けている。これでは中国になめられる。屈辱だ。
2.司法(沖縄地検)に政治圧力がかかったに違いない。
  政府は判断責任を地検に押し付けているが、政治判断が働いたことは
  疑いがない。
  (・・・日本政府は情けない)
3.米国(国務長官)も尖閣諸島は日米安保の対象と言っている。
  (・・・だから、いざとなれば米軍が守ってくれるだろう)



私は次のように考える。

1.領海侵犯を犯し、かつ海上保安庁の警備船にぶつかってきた中国漁船を
  拿捕したことは正当な行為である。
2.沖縄地検の判断で船長を釈放した(ということにした)ことは、日本
  政府の面子(めんつ)を保つためであり、日本にとっても中国にとっても
  現実的な良い判断であった。
3.最も大切なことは船長の釈放に関する是非を論ずることではなく、
  尖閣諸島の実効支配を至急、より確実なものにすることである。



世界に対して尖閣諸島がわが国固有の領土であることをもっと発信すべきだ、
という意見も多かったが、残念ながら無駄だと思う。
(中国を除いて)どの国も東シナ海の小島が日本領土であることに関心はない。
領土問題は”実効支配”にしか回答はないのが現実だ、という大前研一氏の
意見に賛成する。
英国・アルゼンチンの間で紛争になったフォークランド諸島もそうだし、
北方領土、竹島もそれを物語っている。
いくら日本が世界に向かって「我が国固有の領土です」と言っても、どこの
国も協力してくれはしないし日本に戻ってくることはない。



経済的に中国へ依存しすぎること---いわゆるチャイナリスク---が存在する
ことを実感した人も多いだろう。
だからといって今すぐ中国から手を引くことはできないのも現実である。
今回の事件を機に中国依存という方向を修正していく必要性を実感したし、
中長期的に中国依存度を下げていくことは大切なことだと思う。