2025年11月15日土曜日

没落士族  2025.11.15

いろは坂 日光市(Bing Wallpaperより)




NHKの朝ドラ「ばけばけ」、見てますか。


松江藩の上級武家だった松野家は、明治になってその特権を失い困窮している。
主人公・松野トキの生みの母である雨清水タエは、かつて大勢の女中に囲まれ何不自由ない暮らしをしていたが、夫の死後、収入を失い物乞いにまで落ちてしまった・・・。


「ばけばけ」効果だと思うが、最近私の YouTube には没落士族を説明する動画が集まってくるようになった。
学校で習った歴史では大政奉還、明治維新、殖産興業、富国強兵などなど明治維新の明るい側面が強調され、没落士族の存在という陰の歴史にほとんど触れていない。
私は”武士の商法”という言葉は知っていたが、言葉だけでの理解にとどまり実感を伴ってはいなかった。


19分10秒


没落士族に関して山川日本史でどのように記述されているか確認してみた。


華族・士族は、廃藩置県後も政府から家禄を支給されていた。しかし、その支出は国の総支出の約30%を占め、国家財政のうえで大きな負担であったから、政府はその整理をすすめ、1876年(明治9年)、金禄公債を支給して、それを年賦で支払うこととし、いっさいの家禄支給を停止した。(秩禄処分)金禄公債が低額であった士族の打撃は大きく、なかには官吏・教師・新聞記者などになって新しい生活をはじめたものもあったが、なれない商売に手を出して”士族の商法”といわれるように失敗したりしたものも多かった。政府は士族が新しい仕事をはじめる資金を貸しつけたり、土地を安く払い下げて開墾にあたらせたり(士族授産)したが、大部分の士族は急速に没落していった。


うん、「ばけばけ」にも松江新報の新聞記者が出てくるな。