写真 観音崎の海
何時の頃からか、首都圏の通勤電車には女性専用車両があるのが普通となった。(以下、女専車と略す)
どこも通勤時間のピーク時のみ適用している。
(6時~9時半など)
悪質な痴漢犯罪が続発したことがきっかけとなったのは間違いない。被害者となる女性にとっても、冤罪可能性のある男性にとってもお互いに良いことだと思う。
私が毎朝通勤で利用する横浜市営地下鉄にも一両用意されており、
多くの女性が利用している。
女専車と知らずに男性が座ってしまい、車掌さんに注意されている光景も
ちょくちょく見かける。
注意された男性は、一瞬ギョっとした表情をした後、決まり悪そうに
隣の車両に移っていく。
昔はありえなかった光景であり、これも時代の変化のひとつであろう。
今朝、都内に用事があり、みなとみらい駅から東急・渋谷行き特急に乗車した。
朝9時すぎのことである。
乗り込んだ車両は後ろから2両目だった。
終点の渋谷駅は改札口が進行方向に向かって前にあるので、乗車してから
歩いて前部車両に移動することにした。
走る車両のなかを歩いて移動するのは、重心が取りづらく割と難儀である。
私は右に左によろめきながら、前部車両へと移動していた。
女専車のなかを通過していた時のことである。
一瞬、「これが女専車か!? どれどれ、美人はいるかな?」と気分が
舞い上がりかけたが、すぐにウっとむせ返りそうになり気分が悪くなった。
ツーンと鼻をつく香水の匂いが車両のなかで無秩序に充満している。
さまざまな香水がブレンドされることもなく、一斉に主張しているではないか。
思わず「う、くっせえ」と顔をしかめざるを得なかった。
とにかく不快に臭いのだ。
元来、女性がつける香水の匂いは嫌いではなかった。
嫌悪感を抱いたことは記憶にない。
それにしても、この匂いの無差別攻撃は何だ?
こんな気持ちになったのは初めてだ。
私が齢をとったからなのか。それとも気がつくのが遅かったのか。
今朝の体験は私の中で完全にトラウマとなった。
帰りの電車でも香水が匂う女性がそばにいると、気になって仕方がないのである。
しかも不快感を伴っている。
かくして私は女性の香水が苦手になった。
ワキガは昔からダメだが、香水もダメになってしまった。
もう私が女専車に近づくことはないと思う。