森美術館 撮影:10月1日
今年も例年通り、東名高速で集中工事が行われる。(10/4-10/15)
私は東名集中工事と聞くたびに、亡き母が病に倒れた秋のことを
思い出さずにはいられない。
1994年10月初めのこと。
神戸で勤務していた私のもとへ兄から電話が入った。
「母が入院した。」
思いもかけないことだったので私は動揺した。
入院する直前の症状も尋常ではなかった。
肺に水がたまり呼吸困難とのことだった。
私は母を見舞うために大阪・豊中からブルーバードSSS(スリーエス)に
乗り、東名高速で数回帰京した。
その時期がまさに東名集中工事期間だったのだ。
工事で車線が縮小され渋滞した。
早く母のもとへ駆けつけたいのだが、どうすることもできず焦燥に
かられた気持を忘れることはできない。
大阪からクルマで駆けつける私を母は心配していた。
「新幹線で来てね」と毎回見舞うたびに母は言った。
そう言われても私はクルマで帰ることを止めなかった。
親の心、子知らずとしか言いようがない親不孝者だった。
母の病気は死に至る病だった。
11月20日に私たち家族に看取られ、母はあの世へと旅立った。
私も兄も精神的に立ち直るまでかなり時間がかかった。
つらく悲しい秋だった。
東名集中工事の時期になると、あの秋を必ず思い出す。
あれからもうすでに16年が経過する。