私が音楽との関わりあいを語るときに、大瀧詠一は
はずすことができない存在だろう。
彼の豊かな才能に初めて触れたのは23歳の頃。社会人1年目の札幌においてである。(1978年)当時、高校時代の同級生 H.K が北大生4年で在学しており、仕事の合い間をぬってちょくちょく一緒に遊んでいた。H.K から教えてもらったアルバムが「NIAGARA CALENDER '78」だった。
1月から12月まで計12曲が収録されたアルバムを聴いて、音楽センス・ユーモアセンスにたちまち魅了された。これはすごいぞ本物だ、と思った。
SIDE A
1月 Rock'n Roll お年玉
2月 Blue Valentine Day
3月 お花見メレンゲ
4月 Baseball Crazy
5月 五月雨
6月 青空のように
SIDE B
7月 泳げカナヅチ君
8月 真夏の夜の夢
9月 名月赤坂マンション
10月 座 読書
11月 想い出は霧の中
12月 クリスマス音頭
これら曲の中で私に「すごい、本物だ」と思わせたのは、「Blue Valentine Day」
「青空のように」、「真夏の夜の夢」「座 読書」である。
H.K は「座 読書」の歌詞中の「・・・落ちる餅・・・」というフレーズがお気に入りだった。
「真夏の夜の夢」を聴いていたファンなら、後の名盤「A LONG VACATION」の
大ヒットは当然のこととして受け止めることができたはずだ。
SIDE A
君は天然色
Velvet Motel
カナリア諸島にて
Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語
我が心のピンボール
SIDE B
雨のウェンズデイ
スピーチ・バルーン
恋するカレン
FUN×4
さらばシベリア鉄道
この名盤によって大瀧詠一は一気に有名になり、伝説になった。
おそらく巨額の印税を手にしたことであろう。
その後の彼は、多くの歌手へ曲を提供してヒットを量産する。
風立ちぬ 松田聖子
冬のリヴィエラ 森進一
熱き心に 小林旭
夢で逢えたら 吉田美奈子
残念なことに、最近は彼の名前を聞くことも少なくなってしまった。
10年前、「幸せの結末」で復活して喜んだのもつかの間、また
「勉強家」生活へ戻ってしまったのだろうか。
2011年に復活するとの噂があり、先の楽しみとして残しておきたい。
素晴らしきかな この才能。 大瀧詠一は本物だ。