勝どきの夕映え 撮影:1月27日
このところ4年前のライブドア事件に思いをはせることが多い。
時間外取引でニッポン放送株を大量に取得し、ニッポン放送
およびフジテレビの経営権を狙った敵対的買収騒ぎである。
時期的に冬の、この季節だった。
当時、テレビニュースを見るたびに私は何か釈然としない
嫌な気分になったものだ。
それは時間外取引という株の取得方法に、合法とはいえども
ズルさと汚さを感じたのも一因だ。
また、買収を仕掛けられた側、つまりニッポン放送で働く社員の
気持を考えると絶対に納得できないだろうと思ったからだ。
当時、盛んに言われたのが「会社は株主のもの」というおかしな
理屈である。
私は直感的にこの理屈は間違っていると思った。
私の考えは違う。
会社はその社を支持する顧客のものである。
日々、顧客に奉仕する従業員のものである。
効率的に経営するよう努力する経営陣のものである。
会社が必要とする資金を融資する金融機関のものである。
株を購入する株主のものでもある。
断じて株主だけのものではない。
会社は株主のもの、という単純な理屈がまかり通るような
雰囲気があったのは、今になって思うと金融至上主義、
市場原理主義が幅をきかせていたからだとわかる。
今日の世界的経済危機を導いた偏った考え方である。
ライブドア事件をきっかけに、何か変だなと自分が感じたら
そこを掘り下げてみることは大切なことだと気がついた。
世の中やマスコミが主張していることを鵜呑みにしては
いけないのである。
自分の頭で考えること、自分の考えを持つことはとても
大事なことであるし、私はこれからもそうしていきたいと思う。