早朝、なじみの理髪店で散髪してきた。
3週間に1回のペースで通っている。
前回が長女の結婚式当日だったから、もう3週間が経過したことになる。
あざみ野駅から5分ほど歩いた場所にある「リルッド」。
小森さんという40歳くらいの男性が一人でやっている。
料金は1,800円。
顔剃り、洗髪込だ。
何より便利なのは前日から電話で予約できること。
今ではほとんどすべてのお客さんが電話予約だそうだ。
散髪待ちは時間の無駄だからたいそう助かっている。
「リルッド」という店名の由来は小森という名前から。
little wood 小さい森・・・
シャレているではないか。
散髪するたびに後頭部のハゲの状態を確認する。
道塚に住んでいた幼児の頃、ケガをしてできたハゲだ。
母が近所の女の子に乳母車に乗った私を委ねたそうだ。
きっと女の子たちは母親ごっごでもしたかったのだろう。
ところが女の子たちが乳母車をドブの溝に落とした。
私は壁に頭をぶつけ出血した。
そうしてできたハゲなのだ。
母は父にかなり叱られ責められたらしい。
このことに関して母は後々まで私に負い目を持っていた。
また、小学校一年の音楽会のこと。
私は指揮者に選ばれた。
指揮者は観客に背中を向ける。
後頭部が観客に見える。
音楽会前日のリハーサルの時、同級生から
「あっ!川崎、ハゲがある!」という声がはっきりと聞こえた。
私はそれがあって指揮者を務めるのが苦痛になり、両親に訴えた。
困った両親は音楽会当日、貯金箱の入れ口のようなハゲ部分を
黒マジックインキで塗りつぶして私を送り出したのだった。
そんな思い出のあるハゲだが、ここ数年は全体的なハゲの
進行により目立たなくなってきた。
良かったのか悪かったのか。
両親もあの世できっと苦笑していることだろう。
(ながながとハゲの話につきあって頂きありがとうございました。
たかがハゲ、されど私には思い出の詰まったハゲです。)