最近知ったことで強く印象に残ったことがある。
大瀧詠一は「A Long Vacation」の次のアルバム「Each Time」を作りこんでいる頃、自らの音楽のアイデアが枯れてきていることを感じていたそうだ。
意外な話である。
吉田拓郎もアルバム「元気です」「今はまだ人生を語らず」あたりが一番、アイデアにあふれていた。
「今はまだ・・・」のひとつ前の「伽草子」、ひとつ後の「明日に向かって走れ」まではなんとか勢いでやっていけた。
札幌勤務が始まった秋(1978年)にリリースされた「ローリング30」を聴いて、彼の曲作り能力が枯れたことを感じた。
芸術の泉は無尽蔵ではない。
そのことはアーチスト自身が誰よりも感じることであろう。
厳しい仕事だ。