撮影 2007.11.3 9:21
昨日、福田康夫首相が民主党小沢党首との会談で連立政権構想を打診したと
報道された。
これは言われてみて初めて納得する大技(おおわざ)であり、なかなか筋の良い
提案だと思った。
衆議院は自民が第一党、参議院は民主という姿だから「対立」軸しか私の頭には
浮かばなかった。
この状況下で福田さんが民主党とどう折り合いを付けていくのかに関心があった。
安倍さんより上手くやれそうだとは思っていたが、まさか連立の手を打つとは
思わなかった。
しかし、冷静になって考えてみると私には非常に奥の深い手に思えてきた。
なぜか?
政権の一翼を担えるというのは政治家にとって喉から手が出るほどの夢である。
小沢さんが即答せず、いったん党に持ち帰ったのも福田さんの提案が魅力的・魅惑的だったからに他ならない。民主党は、今のような姿になるまでにさまざまな考えを持つ集団が結果的に集まってできあがった寄り合い所帯である。 党としていったんは断ったものの、連立構想をめぐり民主党内が今後微妙に揺さぶられる
のは見えている。
こんなチャンスは二度とないと考える賛成派。
うまく運べば自分も大臣になれるかもしれない。
自民党との対決で選挙に勝ったのだから、今さら連立なんてとてもできないという反対派。
今、連立が組まれても自分にとってメリットがなさそうだと考える反対派。
法案次第では歩み寄ろうという部分的賛成派。
などなど一言で民主党と言っても、我(が)も欲もある人間の集団だから
思惑(おもわく)が渦巻いて、もうどうにも止まらないのである。
つまりライバルが一枚岩になれない材料を福田さんは投げたのである。
当面、政界から目が離せない。