二子玉川駅 11月19日
多くの人にとっては「FX3500(富士ゼロックス3500)」と聞いてピンとは来るまい。
業界にかつて属していた人、しかも昭和54年~55年に現役プレーヤーだった人でなければこの単語に何の感慨も持たないはずだ。
私にとっては生涯忘れることのできないコピー機の機種名だ。
FX3500は富士ゼロックス(現 富士フィルムビジネスイノベーション)が開発・販売したコピー機、しかもとびきりの名機だ。
当時、富士ゼロックスと競争関係にあったR社で営業職に携わっていた私はこの機種と戦う毎日だった。
R社の製品はコピー速度30枚/分、電源200V、価格164万円。
FX3500はコピー速度40枚/分、電源100V、価格129万円。
R社の製品は売り込む際、電源200Vがネックとなることがあった。
オフィスで使われる電源は今も昔も100Vが一般的だ。
工事費用こそR社が負担するとはいうものの、わざわざ電気工事業者の手で200Vにあげることはお客様には何もメリットのないことだ。
しかも連続コピースピードで負けている。
さらに価格でも負けている。
いったいどうやって戦えというのだ?
ところが営業の世界は面白い。
10回戦うと1回くらいはR社を選んでくれるお客さんがいるのだ。
私もすでに客先で稼働しているFX3500を中途解約させ、R社の製品を導入させることに成功したことがあった。
まぐれ当たりである。
当時、私の提案を採用してくれた居酒屋チェーン「いろはにほへと」の平松さん。
その節はまことにありがとうございました。