2008年6月7日土曜日

藤美荘の思い出  その①  2008.6.7




今では遠くなった青春時代。
先日、オジマさん(福島県相馬市在住)がコメント投稿して
くれたことをきっかけに書いてみたくなった。



私にとって大学時代に親元を離れて独り暮らしをした藤美荘
(ふじみそう)は大切な青春の思い出となっている。
藤美荘は豊島区高田1丁目に存在した二階建ての木造
アパートである。
今は取り壊されてその姿はない。


藤美荘との出会いは大学1年の冬、先輩(四年生)に泊めて
もらったことがきっかけである。先輩の名前はイデさんという。



当時、大学の友人の多くは地方出身者だった。
親元から離れて寮やアパートから通学する友人たちに較べて、
都内に住み身のまわりの一切を親に世話してもらえる境遇は
ありがたいと思う反面、大人になりきれないような気分だった。



そんな気持でいた頃、たまたまイデさんの部屋に泊めて頂く
機会があった。
帰宅が億劫になる時刻まで学校のそばで呑んでいたのかもしれない。
イデさんは卒業・就職を機に故郷(いわき市)へ戻るので藤美荘を
出ることが決まっていた。
私は前記の理由で独り暮らしをしてみたいと思っていたから家賃
(¥9,000-:四畳半)を聞いたり、近所の環境を確認したりした。



アパートこそ古く汚かったが、環境は申し分なかった。

①学校に歩いて通える距離にある。(徒歩10分)
②食べる場所がたくさんある。
③風呂屋も近く、コインランドリーも備わっている。

当時、親からの小遣いは月額1万円。
家庭教師などのバイトで4万円、計5万円の収入があった。
これなら家賃を払い、食事を外食してもやっていけると踏んで、
イデさんの部屋を引き継ぐ決意をした。



引越ししたのは2年生の春のことである。(1975年)



<続く>