2011年4月23日土曜日

東京電力  2011.4.23

東京電力の清水社長が福島県を訪れ、県庁、町役場、震災避難所など
各地でお詫び行脚をした。
原発事故を引き起こした会社の責任者としての責務を尽くしている。
立場、役割とはいえ、なんと大変な時に社長を務めている人なのだろう。



当然ながら、清水社長が事故を招いたわけではない。
設計上、重大なる過失があったわけでもない。
原発建設当時から今に至るまで、考えうる限りの安全策を講じて稼働
させてきたが、想定をはるかに超える津波があの日に福島第一原発を
襲ったがためである。



事故が起きた後になって冷却用電源設備をあれこれしておけば
よかった、というのは後出しジャンケンである。
想定外があってはならない、という意見もあるが、私は世の中には
想定外はつきものだと考える。
人間はそこまで賢くはないし、自然の猛威は時として人智など軽々と
越えて牙をむく。



私は東京電力に事故の責任がなかったと言っているのではない。
事故の収束努力や巨額に及ぶ賠償も責任のうちである。
社長が関係区に頭を下げるのも仕事に伴う責務である。
しかし、大地震→大津波→原発事故の因果関係の中で、あらゆる
責任を東京電力にかぶせるのはいかがなものかと感じている。
しらばっくれているが、かつての自民党政権にも責任はあるだろう。
テレビで解説している学者にも全く責任はないのだろうか。



昨日夕方、たまたま東京電力本社の前を歩いて通った。
テレビ局のマイクロバスにまじって警視庁の車両も警戒にあたっており
ものものしい雰囲気だった。
同社に集中する非難のなかで、あってはならない事件を未然に防ごうと
いう意思なのであろう。



すべての責任を東電に負わせることには反対である。
不幸にも起きてしまった今回の事故を教訓に変えて、より安全な原発へと
進化させるべきである。
日本の電力の30%は原発から生み出されている。
原発なくして日本の経済、人々の豊かな生活は成り立たないのである。