原発のウソ 小出裕章著 扶桑社
福島第一原発で「循環注水冷却」に移行したことが朝刊で報道された。
このまま安定的に原子炉を冷却できれば、事故収束への大きな一歩に
なるから今後の推移に強い関心がある。
思えば事故発生から100日以上経過している。
ようやくここまでたどり着いた。
原子力発電所がいったん事故を起こすと、その後がいかに厄介かを
示している。
最近、小出裕章氏の「原発のウソ」がベストセラーになっている。
(6月20日~26日、オリコン調べ、新書部門)
私も amazon で購入した。
すでに読了し、二度目の読み込みをしているところだ。
私は原子力発電に賛成してきた。
圧力容器、さらに格納容器があるので、チェルノブイリのような事故が
起こる可能性は低いこと。
石炭、石油など化石燃料はやがて枯渇すること。
エネルギー生成効率が高いこと。
火力発電と比較して排出する二酸化炭素が少ないこと、が理由だ。
小出氏の本を読むと、その考えを修正せざるを得ないと感じる。
私の信じる情報が間違っていた点がいくつか明らかになった。
たとえば、石炭・石油よりもウランのほうが枯渇が早そうなこと。
また、二酸化炭素排出量に関しても必ずしもそうではないことを知った。
情報は多面的にとらないといけない、という好例である。
関心がある方には一読をお薦めしたい本である。