2009年2月15日日曜日

竹中平蔵大臣日誌  2009.2.15

            「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日記」(日本経済新聞社)



先週、ネットで竹中平蔵元大臣の著書を購入した。
興味深く一気に読了した。
現在、読み返しを行って理解を深めている。
この本により、今ではすっかり記憶から遠ざかってしまった
かつての政治課題を思い出した。




数年前まで、国内は銀行の不良債権問題が大きな課題として
立ちはだかっていた。
全般的に好況を呈していた世界景気において、懸念材料が
日本の銀行不良債権とまで指摘されたこともある。
バブル崩壊後、経済回復できなかった90年代を「失われた10年」と
称するが、原因もそこにあったのは明らかである。
小泉内閣はこの問題に不退転の決意で取り組んだ。
影響力の大きい不振企業としてダイエーをいかに再建するかも
セットだった。(私はこのことをすっかり忘れていた。)



もうひとつの政治課題が郵政民営化であった。
竹中平蔵氏は、銀行不良債権問題と郵政民営化の二大課題を
直接担当した大臣に他ならない。




竹中さんの本を読むと、小泉内閣がいかに真剣に二大課題を
解決へと導いていったのか、裏話も含めて明快に理解する
ことができた。
また、首相のリーダーシップを背景に氏が困難な課題に強い
使命感を持って取り組んだこともわかる。
読みごたえのある、内容の濃い本である。




折りしも政界では、麻生首相の郵政民営化に関する発言に
揺れている。
首相発言に対する小泉元首相のコメントでも衝撃が走った。
「(首相の発言には)怒るというよりも笑っちゃうくらいあきれている」
と発言した。



この先、政界にどんな展開が待っているのかはわからない。
ただし、数年前に小泉内閣が政治生命を賭けて取り組んだのが
郵政民営化である。
麻生首相に誤った理解と認識を持たれては困ると小泉さんが警鐘を
鳴らしたことだけは理解できるのである。