不況が月を追うごとに深刻化している。
私も仕事のなかで日々実感することが多い。
11月よりも12月、12月よりも1月という具合に底が見えない
怖さがある。
新聞の経済欄に目をやると、減益ならマシなほうで厳しい会社は
赤字を予想する記事が並ぶ。
トヨタ、ソニー、パナソニック、日立、シャープなど日本を代表する
企業が3月の年度決算で赤字計上予測を立てている。
記事を読んでいるだけで心理的に冷え込むというか、お金を使わない
ようにしようという”守りの気分”になる。
こうした消費者心理がますます不況に輪をかけることになるのだ。
2008年度上期はガソリン価格の高騰、原材料価格の高騰で
日本の景気にブレーキがかかった。
食料品を中心に、コストアップを理由とした値上げが広範に
行われたことは記憶に新しい。
そこへ米国発金融危機が起きた。
サブプライム問題を私は輪郭しか理解していないが、本当に
迷惑な話だと思っている。
本来、貸してはいけない人々にローンを勧めまくったあげくの
破綻なのだ。
当初、日本の金融機関や企業は他国と較べてサブプライムローンの
影響が小さいと予測された。
しかし、そのことで円の価値が急上昇してしまった。(円高)
想定を越えた円高は輸出産業の業績を直撃した。
今まで1$あたり105円あった収入が、突然80円になってしまう
のだから恐ろしい。
100,000$の価格で取引している場合、収入は1,050万円から
800万円に下がってしまうのだ。これでは利益の出しようがない。
現在の私たちは歴史的な不況のなかに生きている。
各国政府の緊急対策や企業自身の自助努力でいつかは
この不況を克服するだろう。
しかし、ある日突然に劇的に景気は回復しない。
もがいているうちに気がつくと明かりが見えてくる、そうした
性質のものだと思う。
どのような道筋で経済回復がはかられるのか、それは何年
かかるのか。
今後数年間は地球的規模での正念場であると思ったほうがよい。