2009年2月1日日曜日

実兄のこと その後②  2009.2.1

             二子玉川駅にて   撮影:2月1日 9:53



一昨日、兄が三鷹市の病院を退院した。
入院したのが11月26日だから、2ヶ月余り病院で
治療に専念していたことになる。
私もその日は仕事を休み、彼の退院に付き添った。



治療のおかげで彼の精神状態はこの2ヶ月で劇的に
改善された。
病院スタッフ、行政の支援には感謝してもしきれない。
入院中、兄の様子を確認するため数回面会に行ったが
そのたびに手ごたえを感じていた。
ささいなことでイライラし周囲とうまくやっていくことが
できなかった彼が、かつてのような穏やかさを取り戻していた。



退院はしても兄はホームレスだから帰る自宅はない。
新たに通院する病院が探してくださった池袋の簡易宿泊所が
彼の新しい住まいである。
そこで寝泊りしながら、精神科のデイナイトケアという
自立訓練プログラムへ朝から夜まで通うのがこれからの
彼の仕事だ。



兄に付き添ってドヤ(簡易宿泊所)に行くのはこれで3軒目だ。
読者の皆さんにはおそらく一生縁のない場所だと思う。
今度のドヤは今までで最低価格。(一泊1,360円)
一部屋に2段ベッドが3つ、つまり定員6名の部屋である。
精神状態が落ち着いたとはいうものの、同室の方々と
うまくやっていけるのか私は心配だった。
また、新たな病院へすんなり適応できるのだろうか・・・
一昨日および昨日は気がかりなあまり、私はブログを書く気に
なれなかった。



デイナイトケアは日曜が休みのため、私は約束どおり昼前に
ドヤを訪ねた。
同室の方々と仲良く暮らし始めたことを確認した。
この点において私の心配は杞憂だったことがわかった。
ただし、私との約束を破り一昨日の晩にアルコールを
飲んだことを告白した。
前の病院スタッフからも、私からもけっしてやらないように
言ってきたことを簡単に破る彼に失望を禁じえなかった。
せっかく2ヶ月間、一滴も口にしなかったにもかかわらず
自由を手にするとこうなってしまうものなのか。
「飲んで気持ち悪くなった。もう飲むことはない」という
彼の言葉を私はまだ全面的には信用していない。




「今後、飲んだことがわかったらもう会いに来ることはない」
ときつく言い渡して彼と別れてきた。
アルコールを飲まないこと。
今後の彼が自立できるかどうかはここが最重点ポイントになる。
一抹の不安を残しながら、兄は第二ステージを開始した。


先は長い。


             二子玉川駅から多摩川上流方向を望む


            二子玉川駅