鎌倉霊園にて 撮影:3月14日
小学校1年の頃だった。
学校へ何かを持参するのを忘れたことがあった。
それが筆箱だったのか、教科書だったのか、はたまたノートだったのかは
覚えていない。でも間違いなく私は”忘れもの”をした。
小心者だから”忘れもの”が発覚した時の怖さにビビッた。
先生に叱られる・・・!
1時限が始まる前か、2時限と3時限の間の休憩時間だっただろうか。
6年生の兄に”忘れもの”をしたことを打ち明けた。
兄は「俺が家に帰って、持ってきてやるよ」と言うなり、閉まっている校門を
乗り越えて自宅へ向かい、”忘れもの”を持ってきてくれた。
そのことを私は今でも忘れることはない。
兄は困っている私を、圧倒的な力で助けてくれた。
だから今度は私が彼を助ける番だ。
兄のしたことは馬鹿だったけど、私は力の限り助けるつもりだ。
兄も人生で”忘れもの”をしたんだ。