クルマの売れ行きが芳(かんば)しくないなかで、ハイブリッド・カー
だけが好調である。
先駆者はトヨタだ。
Prius(プリウス)をいち早く開発し、あまりビジネスにならない時代から
地道に仕込んできた。
おそらく遠い将来、ハイブリッド・カーの時代が来る可能性を予見して
ラインアップに加えてきたはずだ。
今日のような状況、つまりどのクルマよりも売れる時代がこんなにも早く
到来するとは、トヨタとても予想していなかったに違いない。
現在の Prius は第三世代である。
ホンダのINSIGHT(インサイト)が受注を伸ばしたので、第三世代の発売を
早めたのだ。
こうした競争が進歩を加速する。
エコ・カー減税も追い風になっている。
売上が増えれば価格も安くできる。
価格が下がればさらに販売増につながる。
この流れが大きなうねりとなれば、日本のハイブリッド・カーが
世界を席巻する可能性も視野に入ってくる。
懐(ふところ)が豊かなうちに将来を見据えた新技術を磨いておいたことが、
トヨタの窮地を救うかもしれない。
いや、救うどころかさらに飛躍するチャンス = 宝の山を手中にしているかも
しれないと私は思う。