バスで最寄駅へ向かう月曜・朝のことだ。
一人の男子高校生が手にした印刷物を一生懸命眺めている。
何かな?と思い、さりげなく見るとそれは明らかに試験勉強用の
プリントだ。
自分で作ったのか、学校で配られたのかはわからない。
PCで作成したプリントであることだけはわかった。
「そうか、考えてみたら期末試験の時期なんだな」
すっかり試験時期の季節感から遠ざかっている自分に気付く。
あの頃は遠くなりにけり、である。
小学生の頃は宿題だけやっていた。
中学生になってから、中間・期末試験の準備をするようになった。
学研の「中1コース」にそうするよう書いてあったからだ。
試験勉強を繰り返しながら、何ごとも準備をしておけばそれなりの
成果が得られることを覚えた。
高校に進学して1年生の1学期に、自分は試験勉強をしないで
どのくらい得点できるかを試してみた。
”ガリ勉”しないと得点できない自分が嫌いだったからである。
結果は当然のことながら散々なものだった。
このおろかな実験(?)のせいで、その後しばらく後遺症に悩まされる
ことになる。
高1・1学期という基礎固めの時期だったのに、基礎が疎かになったせい
だろう。
2学期、3学期も得点できないようになってしまったのである。
マズイ、こんなはずではなかったと内心かなり焦った。
2年生になる春休みに、一念発起して1年生の教科書をじっくり
復習してみた。同時に2年生の予習も並行して行った。
その結果、成績が徐々に上向き3年生を迎えることができた。
自分なりのペースをつかむことができたのである。
生まれ持った才能、適性は当然あるが、継続して努力する人には
かなわない。
バスのなかの高校生を見て、昔の自分を思い出した月曜日であった。