北朝鮮に拘束されていた米国人女性記者2名が、クリントン元大統領の訪朝に
より特赦解放された。
クリントン氏はあくまで”役者”であって、ここに至るまでには水面下に
おける政府間の交渉があり、その成果であることは疑う余地がない。
この一件を日本の拉致被害者家族連絡会の人たちはどう感じたのだろうか。
ひとことで言うと日本という国家への強い失望感であろう。
国民の生命を守るのは国家の基本的使命である。
米国は自国民を北朝鮮から救い出し、国家としての基本的使命を果たした。
いつまでたっても拉致被害者を救出できない日本との違いに愕然として
おられると思う。心中を察するに余りある。
5月31日の投稿で蓮池透さんが書いた本を紹介した。
「拉致 左右の垣根を超えた闘いへ」
この本のなかに、日本政府の戦略不在を指摘した箇所がある。
<以下、引用>
日本政府がよくやるのは、海外に行って、拉致問題の理解を取り付けてくると
いうことです。どの国も、理解を求められれば、「同情します」と言うでしょう。
(中略)
「あなたがたの気持はよくわかります。拉致は重大な問題です」と言うに決まっています。
だからといって、それが何かの役に立つわけではありません。
どうせ海外に行くのであれば、日本はこういうことをやるから、それをいっしょに
やってくれという、そういう突っ込んだ話をしなければいけないと思います。
<引用終わり>
これから衆議院議員選挙を経て、次の政権が決まる。
取り組むべきことは山積されているが、拉致問題もそのひとつである。
日本政府として本腰を入れた戦略を立て、速やかに解決させてもらいたいと願う。