WBAフライ級タイトルマッチをテレビで観戦した。
私のなかでは注目していなかった試合だが、帰宅してたまたま
放映があることを知りチャンネルを合わせた。
チャンピオン・内藤との”失礼な”戦い方は記憶に新しい。
謹慎期間を経てのカムバックだ。
チャンピオン・デンカオセーン・カオウィチット(タイ)はかなり
強そうで、亀田はあっさりKO負けするだろうと思っていた。
それを期待していたと言ったほうが当たっているだろう。
結果は僅差の判定で敗れた。
そこそこの戦い方はできたし、それなりに成長の跡も見えた。
しかし、あえて苦言を呈したいことがある。
本当に強くなりたいなら喧嘩ポーズのボクシングはやめなさい、と。
チャンピオンのクリンチに納得できないのは見ていてわかる。
しかし、いちいち首をかしげたり不満そうな顔をしてアンパイアに
アピールしたげな態度はよくない。
ラウンド終了のゴングが鳴って自らのコーナーに戻る時、相手を威嚇
するようなガンつけも見苦しい。
ボクシングは喧嘩ではなくスポーツである。
正確に表現するならば、喧嘩をスポーツにまで昇華したものである。
力量が同じなら冷静に戦える選手が勝利をものにする。
圧倒的な力量差がない限りは下手な挑発行為も不要だ。
そこを克服して、ぜひとも良きボクサーに成長して欲しい。
兄・興毅も同様だ。
モハメッド・アリを真似た薄っぺらなパフォーマンスなどいらない。
目の肥えた観客をうならせるようなボクシング技術を身に付けて
スカッとした試合を見せて欲しいと願うものである。