渋谷
肌寒く感じる朝である。
この、身に染みる寒さは春の定番でいかにも春らしい。
大相撲春場所は12日目を終えた。
夕方のテレビ観戦が日々の楽しみになっている。
新横綱・稀勢の里が全勝、大関・照ノ富士が1敗で追う展開だ。
先輩3横綱が崩れていくなか、稀勢の里が手堅く勝ちを積み上げてきた。
松鳳山戦は危なかったが、負けそうで負けないのが強い横綱の条件である。
ここまでは内容を伴った素晴らしい土俵ぶりと評価できる。
応援している照ノ富士の復活はうれしい。
怪我がなかなか治らず、攻め込まれて簡単に負けてしまう相撲がここ数場所続いていた。
気力も萎えていたと思う。
今場所は長いトンネルから抜け出し、彼らしい力強い相撲が戻った。
相手十分な体勢であっても、そこから強引にねじ伏せる取り組みが見られるようになった。
昨日の遠藤戦ではもろ差しになられ土俵際まで追い詰められたが、こらえた後に逆襲して仕留めた。
優勝は稀勢の里、照ノ富士のどちらかだろう。
強い横綱と強い大関が争うのだから面白い場所になった。
直接対決では正々堂々、真っ向勝負を期待している。
立ち合いの変化は絶対にしないでほしい。
対照的に日馬富士、鶴竜は影が薄い。
この2横綱が敗れても館内の相撲ファンに驚きはない。
「あ、負けちゃったか・・・」程度の反応である。
小柄、軽量横綱は苦しいものがある。