オバマ新政権が来年1月に発足する。
米国初の黒人大統領へ国民の期待が膨らんでいる。
サブプライムローン破綻から始まった金融危機で未曾有の不況に
さらされる米国では、変革(change)を旗印にした新大統領の誕生は
タイミングが良かったと思う。
かなり厳しい情勢ではあるが一縷(いちる)の明るさをかの国に
もたらしている。
一方、ここ数年、現職のブッシュ大統領に対するマスコミ、国民の
風当たりは強いようだ。
イラク戦争、経済政策への批判が主要因だろうが、国民の不満のはけ口が
ブッシュ大統領へ集中的に向かっている気もする。
いわゆるスケープゴートだ。
新しき者(オバマ)に対する期待は大きく、去る者(ブッシュ)へは冷淡だ。
そんなブッシュ大統領がイラクを訪問した。
マリキ首相(イラク)とともに記者会見に臨んだ席で、ひとりの
イラク人記者が靴を投げつける事件が起きた。
大統領は素早くかわして大事には至らなかったが、イラクという国の
セキュリティの低さに驚かされた。
これは国として恥ずべきことである。
事件直後の大統領のコメントに私は感激した。
「今の靴のサイズは○○インチだったよ」
これがお国柄の違いであり、紳士に求められる能力なのだと
感じ入った。
我が身に危険が襲いかかった直後なのに、このユーモア精神とは!
ブッシュ大統領の功罪を私は論じることはできない。
しかし、その職務に求められる資質をいみじくも示した一件
だったと思う。
私も無条件に見習いたい。
そんな重職にはついていないけれど。