84回を数える伝統の早明ラグビー。
毎年、12月の第一日曜日に国立競技場で行われる。
今年は早明戦までに
明治が2勝4敗と振るわず、戦前の
盛り上がりにはかけるものとなった。
8年連続で
早稲田が勝利していることもあり、百にひとつも
早稲田の負けは予想していなかった。
ワンサイドゲームだけは避けてもらいたいという気持で国立に
到着したのだが。
勝負をなめてはいけない。
試合開始から
明治の出足が鋭い。
かつての強い
明治のように、勢いのあるフォワードが
早稲田を
蹴散らすようにぐんぐん前へ出て行く。
気がついたら
明治 24、
早稲田 5 まで差が開いていた。
最後の10分間で
早稲田も追い上げたが、試合を支配した
明治が
24対22で9年ぶりに勝利した。
スタンドでは8年間我慢を強いられた
明治ファンの喜びが爆発した。
いい歳の大人が小躍りしながら校歌を歌っている。
それにしても、どんなに母校が劣勢を伝えられてもスタンドに
駆けつける
明治の学生には頭が下がる。
強いときだけ応援し、弱くなると遠ざかるOBが多い中で
彼らは毎年、スパイダーマンのような格好をして国立に現れる。
そんなコアなファンに、
明治フィフティーンは大方の予想を覆す
勝利をプレゼントした。
久々に緊迫した早明戦だった。
この日のような戦い方が来年もできれば
明治の復活も現実味を
帯びてくる。
明治も自分たちの戦い方がわかったのではないだろうか。