2008年 日産ギャラリー
朝日新聞が7月から購読料金を値上げする。
現在の月ぎめ4,037円が4,400円になる。
2年前に読売新聞が値上げしているが、その価格に並ぶ。
値上げは27年7か月ぶりのことというから驚く。
日本は長きにわたってデフレ経済から脱却できていないが、それを象徴するような価格据え置き期間の長さである。
経営努力の賜物という見方もできるし、他紙との競争戦略上の結果でもあろう。
先日、『安いニッポン 「価格」が示す停滞』(日経プレミアシリーズ :935円)を紹介した。
良書だから皆さんにも一読をお勧めしたい。
日本の物価が欧米先進国、中国、韓国と比べて際立って安い事実を指摘している。
それと呼応するように賃金が伸びていない。
日本でずっと暮らしているから、私も含めて多くの人はその実感がない。
生活者としては物価の安さはありがたいし、歓迎すべきことのようにも思える。
しかし、賃金が上がらないということは生活レベルも据え置かれるということ。
世界がどんどん成長するなかで、このままでは日本の将来は危ういと著者は主張している。
この本を読んで視点が変わった。
朝日新聞の値上げの捉え方も従来とは変わった。
値上げで収入を増やし、より良い商品(新聞)を提供する方向へ持っていけばよいのだ。