Michael Woodford とは英国人の名前である。
この名前を聞いてピンとくる人は今となっては少ないだろう。
3年前、オリンパスの外国人社長解任で話題になった元CEOである。
出身は Beatles を生んだ Liverpool 、1960年生まれ。
オリンパスの一代理店(キーメッド社)にセールスマンとして入社し、
実績が認められて入社9年で同社社長に就任した。
2005年にはオリンパス・メディカル・システムズ欧州法人の
社長に就任。
2011年には親会社オリンパスのCEOに昇りつめた。
社長に就任したのが4月、10月にCEOへ昇格したが、昇格後
わずか2週間で解任の憂き目をみた。
経済マスコミはそこに垣間見える不可解さを記事にした。
解任理由は表向き(会社発表)には「Woodford 氏の独断的マネジメント」と
いうものだったが真相は違った。
過去の会社不正を正そうとしたため、影で実権を握る菊川会長の画策と
イエスマン役員連中の追い出しを食らったのだ。
その一部始終は「解任」(Michael Woodford 著 早川書房)に
記されている。
読者の皆さんも図書館で検索してみてほしい。
氏の不正を嫌悪する本能、30年務めたオリンパスに対する
忠誠心と愛情、上司・同僚を弾劾せざるを得なかった苦悩、
見せしめ報復に対する不安・恐怖が記されている。
日本経済史の負の側面を知るとともに、人間の弱さ、醜さ、
ずるさ、高潔さを確認することができる。