2017年2月15日水曜日

東芝  2017.2.15

TIFFANY(銀座)



今日の首都圏は降水確率ゼロ。
私は夕方から外出するが傘いらずだ。
明日は全国的に南風が吹き、春を思わせる陽気になるという。
少しづつ季節が動いていく。


昨年はシャープ、今年は東芝。
債務超過に陥って先行きが危ぶまれる大企業だ。
シャープは液晶事業への過大投資でおかしくなり、台湾の鴻海に統合された。
東芝は歴代トップの虚栄心がもたらした不正会計と、米国原発事業を高値でつかんだ経営判断の誤りが原因だ。
事業の方向性を決め投資するのは経営陣の仕事だから、傾きの責任はすべて経営陣に帰するものである。


東芝は福島第一原発の廃炉という、日本国の大きな宿題を背負っている。
簡単にはつぶせない。
グループ従業員が19万人もいる。
大きすぎてつぶせない too big to fail の典型でもある。
私は同業の雄・日立に吸収させ、原発事業や重電事業と従業員を存続させるのが良いと思っている。
儲かるメディカル事業をキヤノンに売り、半導体も売りに出さざるを得ない状況だから、自力再建のシナリオが描けない。


思えばシャープも東芝も戦後の高度経済成長を形成した大企業である。
ここへきての衰退は日本の家電産業衰退をそのままあらわしている。
今や家電の主役はハイアールやサムソンなど中韓メーカーである。
日立やパナソニックはインフラ事業に業態を変えているし、ソニーもかつての輝きは失われている。


シャープ、東芝は日本の産業構造が変わっていくなかでの負け組だ。
東芝に関しては産業構造うんぬんの前に、歴代3トップが会社を壊したと言って差し支えないだろう。
経営ミス以外の何物でもない。
優秀な従業員をどん底に陥れた責任はとてつもなく重い。
この先、どんな着地をするのかとても気になっている。