2017年5月14日日曜日

社会保障費  2017.5.14

東京駅




わが国の現状と未来を語るときに、財政の姿を把握しておくことは必須である。


日本の一般会計予算は約100兆円規模である。
歳出のうち、社会保障費、地方交付税交付金、国債費が約7割を占めている。
歳出全体に占める割合はそれぞれ 33.1%、15.8%、24.4%である。
社会保障費がダントツでトップの支出だ。
ちなみに防衛費は5.2%である。


次に社会保障費とは具体的に何かを押さえておかなければならない。
年金、医療費、福祉であり、ウェイトは5:3:2である。
社会保障費は年々、見事なくらい増加している。
1980年:24.8兆円、1990年:47.4兆円、2000年:78.3兆円、2010年:105.2兆円である。
高齢者の増加が大きな要因であることは疑いがない。


高齢者が増えていくことはこの先も確実である。
社会保障費を持続可能にするにはどうしたらよいか。
5割を占める年金に絞って考えてみる。

方法1:年金支給年齢の引き上げ、支給額の段階的引き下げ
方法2:制度は現状のまま、増税により財源を確保する


私は方法1には反対である。
そもそも社会保障費は人が健康で幸せに暮らすためのものである。
高齢者が増えている以上、コストが増えるのは当然である。
将来の高齢者に対して年金の支給年齢を引き上げたり、金額を減らすことは世代間の不公平を作ることでもある。


ここは増税で対応するしかないだろう。
公平な税といえば消費税である。
技術的に可能であれば、所得ではなく保有資産に税をかける資産課税が公平だ。
仮に税率を1%と仮定する。
資産1億円の家庭には年間100万円を課税する方式だ。
資産を多く持たない若い世代は負担が小さくなる。
裕福な高齢者層はより多く収めてもらうことになる。


社会保障費が国家財政を圧迫しているからといって、年金支給年齢を引き上げたり減額していくことは反対である。
そもそも、日本人が健康で幸せに暮らすためのコストなのだから、小細工による数字合わせなど論外である。