北海道上川郡にて 撮影:2015年
8月から米国で施行される”ある法律”は、わが国の産業へも強い影響がある。
このことは米中の戦いにおける、米国の攻撃の一手としてしっかりと理解しておく必要がある。 少なからぬ数の日本企業でも、私たちの見えないところで「これは困った!即、対応しなければ」とバタバタの対応策に追われている真っ最中のはずだ。
法律の内容は以下の通り。
●中国企業5社の製品を使う企業は、米国政府機関との取引を禁止する。8月施行。
中国企業5社とは・・・
・ファーウェイ(HUAWEI) ・ZTE ・ハイクビジョン(HIKVISION) ・ダーファ・テクノロジー(dahua TECKNOLOGY) ・ハイテラ(Hytera)
上記5社の部品含む製品を使っている企業は、米国政府機関と取引ができなくなる。 日本企業も中国5社から何かしら製品を購入している企業はその対象となる。
5社のうち、私たちの生活に馴染みがあるといえば、せいぜいファーウェイ、ZTE のスマホあたりだろう。 しかしながら企業ベースであれば、5社からあれこれパーツを仕入れて製品に組み込んでいる日本企業は多いだろうと推察できる。 コストパフォーマンスが優れているとして、5社製品そのものを社内システムに採用している会社もあるだろう。
データでは日本における、部品など中間財の輸入における中国からの割合は約20%とのこと。註:経済産業研究所データを基にテレビ東京が算出 同じ比較では米国 16.3%、カナダ 9.2%、ドイツ 7.0%。 やはり、わが国は中国からの中間財輸入ウェイトが大きいのだ。
対象は今回の5社から今後、さらに増える可能性もある。 米国政府が5社以外の企業も中国当局の支配下にあると判断すれば、適宜排除する方針も同時に発表している。 IT、通信など戦略技術関連の中国企業製品は、使用するだけで中国政府への情報流出の恐れありとして排除する。
世界の覇権をあからさまに狙わんとする中国。 現状を鑑みれば、米国政府はきわめて妥当な判断を下したと思う。
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