2017年6月21日水曜日

大人の作法  2017.6.21

二子玉川駅ホームから




南の海上に停滞していた梅雨前線が北上してきた。
首都圏は今日から本格的な梅雨を迎える。


朝から小雨混じりのどんよりとした空は、まさに ”The 梅雨” である。
そこそこ降ってくれないと、首都圏は利根川水系が涸れて水不足騒ぎが起きる。
実際のところ、そうなっても人々は心配していない。
水道の蛇口をひねって水が出ているうちは、単なる世間話の小ネタにすぎない。


騒ぐのはもっぱらマスコミ(キー局)だ。
彼らは心の底から水不足を心配しているわけでは毛頭なく、腹の中ではニュースのネタができて喜んでいる。
それは皆わかっている。
水が少なくなったダムを専用ヘリから撮影して、危機感をあおる報道をする。
そのうち台風が来て水不足は一発で解消し、水不足ネタは終焉する。
何度、このパターンを見せられたことだろうか。


そう考えていくと、世の中の報道は3種類あることがわかる。
ひとつは水不足ネタのような、地域限定・季節限定の定番報道。
年末のアメ横売り出し、GWの成田空港、高速道や東京駅の混雑がそれにあたる。
二つ目は政治・経済ものや事件・事故などの社会ニュース。
三つ目はスポーツ中継(実況)。


定番報道は私たちに季節の移ろいを確認させてくれる。
ひとつの報道の裏には私たちには見えないが、多くの人が働いているはず。
皆で世の中を作っているのだ。
「毎年、同じことを繰り返しやがって・・・。アホくさ」などと毒づくのは大人げない。
定番報道を「今年も元気にありがとう」と喜んで迎えるのが大人の作法だと、最近思っている。
私も歳をとった。