2016年5月26日木曜日

塩野七生氏の卓見  2016.5.26

竹林






朝起きたら薄日がさしていた。
予報では今日は雨。
これから天候は崩れていくと思う。



さて、さまざまな考え方を知ることは有益である。
昨日、新聞を読んでいて久しぶりにそう思った。
オバマ大統領の広島訪問に関して、作家・塩野七生氏(しおのななみ)が朝日新聞の電話インタビューで答えた内容の一部を紹介したい。



Q:オバマ大統領が被爆地・広島を訪問することを知ったとき、まず、どう感じましたか?

A:久方ぶりに日本外交にとってのうれしいニュースだと思いました。とくに日本側が「謝罪を求めない」といっているのが、大変良い。

Q:どうしてですか?

A:謝罪を求めず、無言で静かに迎える方が、謝罪を声高に求めるよりも、断じて品位の高さを強く印象づけることになるのです。
(中略)
少し前にアジアの二つの強国のトップが、相前後してヨーロッパ諸国を歴訪したとき訪問先の国々で、日本は過去に悪事を働いただけでなく謝罪もしないのだ、と非難してまわった。
ところがその成果はと言えば、迎えた側の政府は礼儀は守りながらも実際は聞き流しただけ。マスコミに至ってはスルーで終始した。




二つの列強とは中国、韓国を指すことは明らかである。
昨年だっただろうか、中国首脳が英国を訪問した際、エリザベス女王に謁見した。
最近、女王が「彼らは無礼だった」と何かの折にこぼしたことが報道された。
どんなふるまいを指しているかは不明だが、女王にそう思わせたことは事実だ。



主張すべき場所で主張しないのはまずい。
しかし、主張しないほうが、より効果的な場合もある。
この違いは非常に深い。
よくよく考えるに値する。