NISSAN CROSSING
大隅良典氏(東工大栄誉教授)のノーベル医学生理学賞受賞が決まった。
素晴らしいことである。
このところ毎年、秋になるとノーベル賞受賞者の知らせで国内が沸き立つ。
昨年の大村教授(北里大)は地元に温泉施設を持っていたり、趣味のゴルフで出かけた先で採取した土からイベルメクチンを開発したり、という逸話も知らされ話題に事欠かなかった。
しばらくは大隅教授もさまざまな周辺情報で盛り上がるのだろうか。
昨日、物理学賞の発表では日本人の受賞はなかった。
連日の日本人受賞者発表を期待していたが、それほど甘くはなかった。
事前に数人の候補者をマスコミが報道していたこともあり、「なんだ、ダメだったか」と嘆いてしまうくらい、ここ数年の受賞者は多い。
ノーベル賞の報道があるたびに科学の世界は奥が深く、知らないことがたくさんあるのだなと思う。
一般の人に知られることなく、世の中の進歩に貢献する研究が地道に数多く行われている。
大隅教授のコメントを聞いていると、ノーベル賞は結果であって目標ではなかったことがわかる。
純粋に面白いと感じる研究にのめり込んだ末の、神から与えられたご褒美なのだ。
科学は人類の進歩に貢献する。
音楽、美術、文学もしかり。
優れた人たちの業績に囲まれて私たちの豊かな生活がある。