札幌農学校(北海道大学)2012年8月撮影
赤い屋根は古き北海道を象徴している。
私が初めて北海道を訪れたのは大学1年(1974年)の初秋である。
上野から夜行寝台列車で青森へ、そして青函連絡船で函館、さらに列車で札幌をめざした。
16時間の行程だった。
その年、北大に入った九段高校の同級生・ヨコヤマ氏、イチカワ氏(小樽商大)を頼っての旅である。
列車が札幌に近づくにつれ、屋根の大多数が赤と青であることに気が付いた。
当時の工務店は青と赤を標準に家を建てていたのだろう。
現在の北海道は住宅もオシャレになり、この屋根は姿を消しつつある。
さて、理科の話。
小学校や中学の実験にはほとんど興味を掻き立てられることはなかった。
どちらかというと作業が面倒くさかった。
他人が夢中だった昆虫採集も「よくやるよ」というスタンスだった。
はなから自然科学とは縁遠い男だった。
庭に巣をつくるアリの動きには興味があり、しゃがんで長時間見ていたこともある。
トンボやカブトムシも好きだったが、観察したいのではなく所有したい感覚だった。
貴重品を求める感覚に近い。
中学に入って習ったアルキメデスの原理には「へぇー」と思った。
浮力の原理である。
高校で習うケプラーの法則に対しては、壮大な宇宙の動きを理論化したことに対して感服した。
アルキメデスといい、ケプラーといい、素晴らしい科学者がかなりの昔に存在したことに驚いた。
学校の成績はまずまず。
大学受験は化学と生物で挑んだが、穴だらけの勉強がたたって得点にならなかった。
私立(3科目)との掛け持ちで、理科を戦略的に勉強できなかった。
結局のところは甘かったのである。