2016年2月7日日曜日

「あの日」(小保方晴子 著)読後感    2016.2.7

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小保方氏の著書「あの日」が amazon から到着したのは先月の30日。
その日のうちに一気に読了した。
内容は期待を超える濃さがあり、引き込まれるものだった。
しかし、ここでどう皆さんに読後感をお伝えしたらよいか、しばらく迷っていた。
実は今も迷っている。



この本にはSTAP細胞騒動の謝罪、恩師・協力者への感謝とお詫び、理研と若山教授(山梨大)への不信が綴られている。
また、騒動発生後のマスコミの強引な取材に悩まされたことを開示している。
毎日新聞の須田桃子記者の取材に対して「殺意すら感じさせるものがあった」と実名をあげて記述している。



STAP細胞の存在については、小保方氏は「存在する」立場を堅持している。
興味深いのはSTAP現象の再現定義が彼女と理研とで異なっていることだ。



- 引用 P.238 -

2014年12月19日に開かれた検証実験の記者会見での、相澤先生の「STAP現象を再現することはできませんでした」という第一声で、検証実験のすべてが失敗に終わり、そのために検証実験が打ち切られるという解釈で報道がなされた。
しかし、実際には私が行った検証実験においても、丹羽先生のところで独立して行われていた検証実験でも、「体細胞が多能性マーカーを発現する細胞に変化する現象」は間違いなく確認されていた。私が発見した未知の現象は間違いがないものであったし、若山研で私が担当していた実験部分の「STAP現象」の再現性は確認されていた。
しかし、検証実験のSTAP細胞の作製成功の基準と定められてしまった「多能性の確認」の実験はすべて若山先生の担当部分だった。若山先生の実験によって証明されたキメラマウスの作製が、検証実験では成功しなかったために、検証実験のすべては失敗に終わり、STAP細胞の存在は確認されなかったと結論付けられてしまった。





私が読後感のコメントに窮しているのは、細胞生物学の専門性がないことと、この本で主張されている内容が小保方氏からだけのものであるからだ。
この先、真実が明らかになるとすれば、小保方氏が名誉棄損を訴える裁判へ持ち込むしかないだろうと思う。



この本の中で”悪者”になっている理研関係者、若山教授からのリアクションは今のところ聞こえてこない。
このまま「小保方さんが本を出して終わり」なのか、さらなる展開があるのか、には少なからず関心を持っている。