2016年9月4日日曜日

築地市場移転延期の件  2016.9.4

北海道大学





小池都知事が築地市場移転計画の延期を決めた。


オリンピック閉会式はセレモニーへの出席だが、こちらは政治案件そのものだからさっそく新知事が大きな決断をしたことになる。
築地市場移転は庶民にとって”わかりやすい案件”でもあり、小池知事らしいともいえる。


かつて青島知事が都市博開催反対を公約どおり”ちゃぶ台返し”したことを思い出す。
当時はそのまま開催したほうが中止するよりも安上がりの試算もあり、判断への是非が世間を賑(にぎ)わせた。
築地市場の場合、現時点では中止ではなくいったん立ち止まっている状態だから、最終的にどうなるかは未定である。
小池さんの腹の中には、当然ながら筋書きができているのだろう。


延期理由のうちの1つ「安全性の確認」はおそらく建前だ。
過去に何度もやっている。
延期の本質は、おそらく従来の意思決定機関に対する宣戦布告ではないかと私は推測している。
つまり、都議会のドンを中心とする自民党・公明党議員ら与党に対して、「今まで通りやりたいようにはできませんよ」と警告することが主目的とみている。


移転に関わるコストが当初計画よりも大きく膨らんだことの裏に、議員たちの利権がからんでいるとマスコミで報道されている。
このことに関して、小池知事は確かな裏づけをつかんだのではないだろうか。
あくまで私の推測であるが、そうでないとこの時期の決断の説明がつかない。
小池知事は政治の遂行と戦いのバランスを取っていると信じたい。



情報公開を旗印にしている知事のことだから、今後、いろいろなことがわかってくるだろう。
就任したばかりではあるが、東京都民と知事の前途が明るいことを祈念するばかりである。