2020年8月20日木曜日

テポドン発射    2020.8.20

Social Distance (川崎市麻生区)   撮影:8月16日






8月も早いもので、もう20日を数えた。
子どもの頃なら夏休み終了のカウントダウンが始まり、憂鬱な気分に襲われる時期だ。
やり残した宿題の進捗が気になったり、去りゆく夏の感傷に浸ったりしたものである。
大人の夏はそうした起伏がない。


さて、話題を変える。
今日の午後、最寄り駅から自宅方面に帰るバス車内でのこと。
私は取り返しのつかない失敗をしてしまった。


車内はそこそこ乗客が乗っていた。
出口ドア付近に立ち、外の景色をぼんやりと眺めていた。
昔の面白かったエピソードを回想し、心のなかで笑った。
その瞬間、バスのなかでテポドンが発射してしまったのだ。
笑いのエネルギーが下腹部筋肉を刺激したと思われる。
坐っている付近の乗客には間違いなく聞こえたはずだ。


正しくはテポドンではなくポドンである。
ヘポドンの発射音は周囲に聞こえたはずだが、私は素知らぬ顔をするしかなかった。

「けっして私ではありません」

無言で主張した。
しらばっくれるというやつだ。


降車するまでの時間がとても長く感じられ、苦痛だった。
それでも私は何食わぬ顔で降車ボタンを押し、停留所で降りた。
降りてから、バスが走り去る。

「やっちまったぜ」
心のなかでつぶやいた。

今後は要注意だ。
もっと緊張感を持たないといけない。
歳をとるというのは残酷なことである。