Social Distance (川崎市麻生区) 撮影:8月16日
8月も早いもので、もう20日を数えた。 子どもの頃なら夏休み終了のカウントダウンが始まり、憂鬱な気分に襲われる時期だ。 やり残した宿題の進捗が気になったり、去りゆく夏の感傷に浸ったりしたものである。 大人の夏はそうした起伏がない。
さて、話題を変える。 今日の午後、最寄り駅から自宅方面に帰るバス車内でのこと。 私は取り返しのつかない失敗をしてしまった。
車内はそこそこ乗客が乗っていた。 出口ドア付近に立ち、外の景色をぼんやりと眺めていた。 昔の面白かったエピソードを回想し、心のなかで笑った。 その瞬間、バスのなかでテポドンが発射してしまったのだ。 笑いのエネルギーが下腹部筋肉を刺激したと思われる。 坐っている付近の乗客には間違いなく聞こえたはずだ。
正しくはテポドンではなくヘポドンである。 ヘポドンの発射音は周囲に聞こえたはずだが、私は素知らぬ顔をするしかなかった。
「けっして私ではありません」
無言で主張した。 しらばっくれるというやつだ。
降車するまでの時間がとても長く感じられ、苦痛だった。 それでも私は何食わぬ顔で降車ボタンを押し、停留所で降りた。 降りてから、バスが走り去る。
「やっちまったぜ」 心のなかでつぶやいた。
今後は要注意だ。 もっと緊張感を持たないといけない。 歳をとるというのは残酷なことである。
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