2016年7月5日火曜日

思想が大切  2016.7.5

 紀尾井町ガーデンテラス





 突然、雨雲が空を覆い風が吹いて大粒の雨が降り出す。
昨日の夕方のことだ。
梅雨明けの時期にこうした夕立はよくある。
ひょっとすると梅雨が明けてしまうのかな、と思ったが今朝の天気を見るとまだしばらくは梅雨は続きそうだ。



さて、私は4月に来日したホセ・ムヒカ氏(ウルグアイ前大統領)の発言を折に触れ思い出す。
氏は政治家だが、同時に稀代の哲学者だと思う。
私の定義では哲学者とは人の根本思想を変える英知を持つ人のことである。


・大統領も国民のひとりにすぎない。私は料理もするし皿も洗う。買い出しにも行く。大統領が一握りの金持ちと同じ生活をしていたら、国で何が起こっているかわからなくなる。

・経済の進歩は、一面では非常にすばらしい効果をもたらした。百五十年前に比べれば、寿命は四十年延びた。その一方で、私たちは軍事費に毎分二百万ドル(2億円)を使っている。また、人類の富の半分を百人ほどの富裕層が持っている。私たちはこうした富の不均衡を生み出す社会を作ってしまった。

・人生にとって、命ほど大切なものはない。この星に生まれたすべての人の人生が大切なのだ。世界について考える時も、人生についても、仕事について考える時も、どうすれば幸せになるかから考えなくてはいけない。

・貧しく生きるべきだとか、修道士のような厳格な生活をしろと言っているわけではない。私が言いたいのは、富に執着するあまりに絶望に駆られてしまうような生き方をして欲しくないということ。

・人生とは、些細なことでもそれが大切な意味を持つことがある。例えば、愛情を育むこと、子供を育てること、友人を持つこと。そういう本当に大切なことに、人生という限られた時間を使って欲しいと思う。

註:文藝春秋6月号より引用


すべてのコメントが味わい深く、本質を突いている。
これからも氏の思想をよりどころにしていこうと思っている。