2016年11月20日日曜日

新旧交代の気配(大相撲)  2016.11.20

生田緑地





大相撲九州場所は7日目を終えた。
連日、熱戦が繰り広げられている。


綱取りに挑む豪栄道は6勝1敗。
「壁になる」と宣言した白鵬も6勝1敗で並んでいる。
横綱・鶴竜がただ一人全勝で頭一つのリードだ。
このままで終わるとは思えず、これから先の展開がとても楽しみである。
豪栄道はこれから3横綱、3大関との対戦が待っている。
綱取りはそれ次第である。簡単なことではない。


昨日の取り組みで印象深かったのは稀勢の里と正代の対戦だ。
正代がさらに番付を上げていくには上位力士を下していかなければならない。
正代は身体の大きさで稀勢の里に引けを取らない。
堂々たる体躯である。


結果は正代の勝ち。
勝ち名乗りを受ける正代を見て、私は新旧交代の波が来ていることを直感した。
稀勢の里も強い大関だが横綱を張るまでの実力はない。
圧倒的な強さと、ここぞという取り組みでの勝負根性に欠ける。
年齢も30歳であり、ここまでかなと私は見ている。
そんな稀勢の里を、若くて才能のある正代が退けた。
こうして新旧交代は行われていくのだな、と私には感じられたのだ。


琴奨菊と髙安の対戦でも同じことを感じた。
台頭する関脇が大関を破った。
3年先の大相撲ではきっと髙安や正代、遠藤、御嶽海らが今以上に存在感を示しているはずだ。
大関を務めている者もいるだろうし、横綱だって可能性はある。
こんな視点で大相撲を観ると、目先の優勝争いや綱取り以上に興味深く思えるのである。