2016年11月28日月曜日

カストロ氏死去  2016.12.28

生田緑地





キューバのカストロ元議長が亡くなった。
長く米国と対立していた社会主義国・キューバを立ち上げた人だが、昨年オバマ大統領が経済封鎖を解く決断を行ったばかり。
雪解けができた後にあの世へ旅立てて良かったのではないか。


共産主義、社会主義国には共通点を容易に見出すことができる。
国民の自由な発想を奪い競争を否定するため、経済成長が鈍く貧しい国になる。
皆が等しく平等な社会を築こうとすると、皆が貧乏になるのだ。
また独裁者が反対勢力を血なま臭く粛清する点も共通している。
そして、停滞する国を統治するためにやたらに軍事予算が膨らむ。


人間の本質は自由と豊かさを求める心にある。
自由に発想し自由に行動したいと誰でも思う。
少しでも便利に、今日より明日がより豊かであるように願わない人はいないだろう。
こうした人間の本質に反したことを行うから共産主義・社会主義は失敗するのだ。


民主主義、自由経済にも問題点はある。
Brexit 、トランプ氏当選はグローバル経済が行き詰まっていることを明示した。
国民経済の一部を壊滅させて、幸せに生きることができない人を生み出すからだ。
難民として異なる民族が大挙して生活圏に入ってくることで、地域の教育体制、医療体制にしわ寄せを受けて喜ぶ人はいない。


しばらくはグローバル化と保護主義の行きつ戻りつが試行錯誤される時代が続くだろう。
来年はフランスとドイツも大統領選挙が行われる。
保護主義を謳う極右政党の躍進もありうる。
私たちはそうした世界情勢を注視しておく必要がある。