2007年12月26日水曜日

雑煮とインプラント 2007.12.26

落葉のじゅうたんとベンチ


正月が近い。



子供の頃、クリスマスから正月と続く流れがとても嬉しかった。
クリスマスプレゼント、お年玉がもらえるのだから堪(こ)たえられない。
しかも学校も休みだ。
コマまわしやメンコ、凧揚げ、羽根突きなど遊びも豊富にあった。
その体験がベースにあるから、今でも正月と聞くとどこか心地よい。



正月の食べ物では雑煮が好物だ。
朝昼晩すべて雑煮でもいいくらい好きだ。
こんなにも好きな雑煮だが、歯の状態が良くないと味わえない。
一昨年はあいにく正月から歯が痛んで食べることができなかった。
歯茎(はぐき)がかなりやられていた。



そうこうしているうちにとうとう前歯が一本抜け落ちてしまった。
営業の仕事で前歯なしは厳しい。見映えが悪い。
前歯欠落をきっかけに、本格的な歯科治療を施すことにしたのが
一昨年の4月。この際だから徹底的に治療しようと決意した。
部分入歯をやめ、インプラントでの人口歯を四本埋め込んだ。
顎(あご)の骨に穴を開け、チタン製のボルトを埋め込み、その上に人口の歯を
かぶせるのがインプラントだ。
ちょっぴり怖かったが最新技術の治療に賭けた。
お金もかなりかかった。
治療期間も長かったが好きな雑煮を心置きなく食べられるようになることを
励みに、約一年間辛抱して通院した。



頑張った甲斐はあった。
インプラント治療の結果、口内は快適な状態が維持できている。
今では自分の歯のように違和感がない。
メンテナンス( = 歯磨き)を怠らず、長持ちさせたいと思う。
まもなくやってくる来年の正月もこの歯で雑煮をたっぷりと堪能するつもりだ。




追伸


この稿を書いていて、忘れていた記憶が突然蘇がえった。
それは中学一年の冬休み。
近所の同級生Sくんと蒲田のイトーヨーカ堂のゲームコーナー。
今のぬいぐるみを掴むのと同じ仕組みで、外国製タバコを掴むゲームが
あった。
昭和43年当時の洋モクは高価だった。
ゲーム機へ10円を投入し、1個でも獲得できれば大きな収穫だ。
つかめそうでなかなかつかめないのは昔も今も変わらない。

ところがその日は、なんと10円でケントとラークが同時に取れてしまった。
喜び勇んで帰宅し、高校三年生の兄に成果を報告した。
値段は忘れたが満足いく金額で兄が買い取ってくれたことを覚えている。


今ではイトーヨーカ堂もゲームコーナーもない。
記憶の中だけでのなつかしい思い出の一こまだ。