2010年10月30日土曜日

日中関係  2010.10.30

相変わらず日中関係がギクシャクしている。


ASEAN関連会議でハノイ訪問中の菅首相、温家宝首相による
トップ会談が中国側からキャンセルされてしまった。
報道から判断すると、中国の国内事情、前原外務大臣への反発、
クリントン国務長官の発言、などが複雑にからみあっているようだ。



両国は経済的な依存関係が大きいだけに、その影響は小さくない。
日本の立場からすればレアアース輸入が今、絞られると痛い。
観光産業も中国から多くの人が来てくれないと苦しい。
一方、中国も日本企業の投資が冷え込んだり、企業の撤退があれば
成長に陰りをもたらしプラスには働くことはない。



かつて日韓関係もけっして良いとはいえない時代があった。
経済的な依存関係の高まりや、ワールドカップの共同開催、韓流スター
など両国が互いに親近感を高めていった結果、今では昔と較べて
格段と身近な隣人になった実感がある。
なんといっても民主主義という共通項が前提にあるのは大きい。



中国は共産党一党支配体制で民主主義国ではない。
それでも経済的には開放政策がとられ、日本からも多くの企業が進出し
21世紀になって飛躍的な経済成長をとげた。
日中の相互依存が強くなれば友好も深まるはずと思っていた矢先に
躓(つまず)き始めてしまった。
政治体制の違いはやはり大きいものだ、と私は改めて感じている。




中国が間もなく日本を抜いて世界第二位の経済大国になるのは間違いない。
軍事力は米国が警戒感を隠さないくらい、年々増強している。
ますます勢いづく隣の大国とうまくつきあっていくことは簡単ではない。
我が国の国益にかかわることなので、慎重に事を運んでほしいと願う。