2011年6月19日日曜日

すべて東電が悪いのか? 2011.6.19

ユニクロ銀座店


いかにも梅雨らしく、朝からどんよりと曇った天気である。
スカッと晴れた天気をこの時期に求めても無理で、仕方ないものと
受け入れることにしている。
草木の生育には雨の多いこの季節が必要なのである。



大震災から100日経過した。
マスコミは区切りが好きである。
今朝のテレビでは首都圏各地の放射線量や、被災地の状況に混じって
東電の補償問題を取り上げた番組が多かった。
東電の補償に関するマスコミの論調には私は強い違和感を感じた。




今でも避難している人、先の見通しが立たない企業・産業に対する東電の
補償はどうあるべきかを論じていた。
私が感じた違和感は、「東電が100%悪い = 加害者」 を前提として話が
組み立てられている点に対してである。
特に自民党の河野太郎議員が顕著だった。
国が先に被害者に対して仮払いし、その後、国が東電に請求すればよい
のだと訳知り顔で主張していた。
一見もっともらしく、耳触りがよく聞こえる意見である。



私は東電も震災被害者の一員と考えている。
なぜなら、日本の原子力発電事業は東電が主体的に推進してきたのでは
ないからだ。
国の政策(Plan)を受けて忠実に実行(Do)してきたのが東電なのだ。
予想をはるかに上回る自然災害に起因する事故が起きて、すべての責任を
東電にかぶせるのは筋違いである。



もちろん実行者である東電にも油断というか、事故発生可能性を甘く見てきた
責任はある。
万が一に備えて危機管理をもっと徹底すべきだったとは思う。
しかし、事故責任が100%東電にあるとは思えない。
初めての大規模原発災害の発生 → 被災者への巨額賠償の必要性 → 
事故を起こした東電が悪い → 東電が支払うべき というロジックはものごとを
単純化しすぎている。



不幸にも原発事故が起きてしまった以上、ここは東電に原子力発電を推進
させてきた国、実行者の東電、そしてその恩恵を受けてきた電力消費者が
皆で結果責任を負うべきと考える。
マスコミにはもっとしっかりと考えて報道してもらいたいと思う。
現実世界はドラマのように単純ではないのである。