2008年2月29日金曜日

中竹竜二監督   2008.2.29




週末かつ月末を迎えた。
金曜日の夜から土・日にかけてのこの解放感が好きだ。
仕事をしている人にのみ与えられるご褒美である。



昨晩、帰宅前に最寄駅の書店で本を購入した。
Yahooショッピングで買うつもりであったが検索の網に
引っかかってこなかった。
ならば書店で、という訳である。


1月12日の大学ラグビー選手権決勝で慶応大学を
下して優勝した早大ラグビー部監督・中竹竜二氏の本である。
コアなファンでなければけっして手にすることがない、
いわゆる”オタク本”だ。



カリスマ監督だった清宮克幸氏(現サントリー監督)から
部を引き継いだ中竹氏は、周囲の懸念通り一年目に苦労煩悶した。
学生が氏の指導力や戦術に半信半疑、様子見、懐疑的だった
のである。
本人もそのことを自覚していたことが本のなかで明らかにされている。
結局、関東学院大学に決勝で圧倒され敗れた。
戦力では大きく凌駕しているというのが衆目の一致するなかでの敗北
だったから、ファンからの批判も大きかった。



かくいう私も一年目は春の時点から危ういと感じていたし決勝での
敗北は中竹監督の責任だと確信した。
学生の自主性を重んじ、戦術は自分たちで考えろという指導法は
終始納得できるものではなかった。
「なんでオレたちが考えなきゃいけないんだ。そのためにいるのが
監督だろう」とまで言う学生もいたという。



企業従業員ですら自分で目標設定し自己管理できる人材は
限られている。
リーダーが方向性、何を優先するかを示さなければ
満足できる結果へ導くことは不可能だと実感している。
ごく一部のメンバーは自主的にそれができる。
経験的に一割程度だろうか。
リーダーが何も言わなくともきちんと結果を出してくるメンバー
ばかりに恵まれたら何も苦労はないのである。
現実にはなかなか存在しないだろう。



所詮は若く幼い学生たちの集団である。
中竹監督が一年目に学生に求めた姿は理想が高かったと思う。
二年目はかなり指導法を変えたことも書かれている。


これ以上、興味のある方は本の購入をお勧めする。
彼の置かれた厳しい立場に自分を置き換えてみて、自分だったら
どうするかシミュレーションしてみるのも良い訓練になると思う。