2008年4月12日土曜日

パラダイムシフト 2008.4.12



「十年一昔」とよく言う。
十年で世の中が一変してしまう様(さま)を表現する言葉である。
思えば、この十年の変化は振り返るとかなり大きい。


パソコン、携帯電話、インターネットの普及が代表的だろう。
街から多くの公衆電話が姿を消し、メールが爆発的に普及した。
家庭のFAXももはや消え行くもののひとつだ。
音楽はメディア(CD-ROM)で購入することなく、ネット経由で
ダウンロードする時代になった。


画期的な商品が従来の主役を劇的に退ける。
ウォークマン(SONY)を過去の遺物にしたiPod(Apple)。
VTRからDVDへ。
塩銀カメラからデジタルカメラへ。
パスネット(磁気カード)からPASMO(ICカード)へ。
技術の進歩が便利さを加速させている。



その時代や分野において当然のことと考えられていた認識
(パラダイム)が大きく変化して、前提条件が変わってしまう
ことをさして、パラダイムシフトと呼ぶ。


ここ数ヶ月の世の中の変化で顕著なのは、「値上げ」であろう。
今日、近所の札幌ラーメン店に出掛けて昼食をとった。
この店のラーメン、餃子はとてもおいしくて好物だ。
この前までラーメンと餃子でちょうど千円だった。
ところが今日は1,080円、なんと8%もアップしていたのには
驚かされた。
原材料の高騰がその理由であるが。


かつてはモノ・サービスの価格が下がるデフレを危惧する声で
あふれていたのが一気に様変わりしている。
価格の下落 → 企業収益ダウン → 家計収入ダウンという、
デフレスパイラル克服が政治の大きなテーマのひとつであったのが
ウソのような変わり方である。


私たちを取り巻く経済は、まさしくパラダイムシフトに直面している。
前提条件が変化したのであるから、私たちも生活のあり方や
支出規模を変化させなければならなくなっているのである。