2009年10月28日水曜日

進路指導   2009.10.28


                         秋空





進路指導について書いてみたい。



長男(1982年生まれ:27歳)が中学生3年の頃のことだった。
青葉区の公立中学で進路説明会があり、家内から頼まれて私が出席した。
担任、および進路指導教員の説明を聞きながら、疑問に感じたことが
忘れられない。




担任教員は進路指導の常道として、まず進学、就職の選択肢を提示した。
中学校以降は義務教育から外れるから当然である。
次に彼(担任の男性教員)が話したのは、「就職するのであれば、子供さんが
やりたいことを職業にするよう指導してください。」と話した。
まず、ここで私はひっかかるものを感じた。
たかだか15歳の子供に職業イメージなどあるはずもない。
やりたいこと、しかもお金を稼ぐ手段として”やりたいこと”がそのまま
職業になるほど世の中は甘くない。
私は彼が心の底からそう思っているのか、いささか計りかねた。
大人げないと思ったから、その場は黙って聞き流した。



次に進路指導担当の女性教員が登場した。
この中学の卒業生が進学した高校名、人数を説明していく。
そのなかでも当時、開校して年数が浅く普通科ではない”ユニークな”
公立高校の説明には熱が入っていた。
言葉にこそ出さないが、新しいユニークな学校があるのでイチ押しですよと
言わんばかりの説明だった。



説明を聞くうちにある疑問が生じたので、質問の時間がきた時に挙手した。
私は彼女がイチ押しの公立高校に関して、その高校を卒業した生徒たちの
進路状況を質問した。
ところが女性教員はその件に関して全く情報を持っていないことが判明した。
私は開いた口がふさがらない思いだった。
親ならば高校進学は子供たちの最終目的であるはずはなく、その先のことに
関心があるのは当然である。
結局、進路指導教員の目標(管理項目)はどの高校に何人送り込むことに
あるのだな、と気がついたのである。



不遜な考えかもしれないが、この一件で私は確信した。
この人たちにまともな進路指導を期待してはいけない。
親である自分が真剣に考えなくてはいけないと思い知ったのである。



もう一歩、踏み込んで言うならば、進路指導を学校教員に強いてはいけない
のではないかと思う。
学校教員は別のもっと大事なミッションの専門家だ。
進路指導こそ、学校以外の実業界で生きている我々が担うべき事項ではないか
と思えるのである。