2007年5月27日日曜日

いつも音楽とともに生きてきた   ~荒井由実~ 2007.5.27

ユーミン、松任谷由実は自主的には聴かない。
私がかつて聴き込んだのは荒井由実である。


高校三年の頃、「ひこうき雲」を聴いたのが、彼女の歌に接した最初
である。爆発的に売れ出す前の頃である。
なかなかいいなとは感じたが、その程度の関心度合いだった。
メジャーなミュージシャンになるとは当時は思わなかった。


大学二年になってアルバム「MISSLIM」に出会い、聴き惚れた。
このアルバムは傑作だった。
当時、私は蒲田の自宅を出て大学のそばのアパートで
自炊生活を始めていた。四畳半の部屋で何度も何度も、
来る日も来る日も繰り返し、飽きもせず聴いた記憶がなつかしい。
今でも保存しているレコードアルバムには '75.Jun.17 と
ボールペンで書いてある。
あれから32年が経過したことになる。



SIDE:A

生まれた街で
瞳を閉じて
やさしさに包まれたなら
海を見ていた午後
12月の雨


SIDE:B

あなただけのもの
魔法の鏡
たぶんあなたは迎えに来ない
私のフランソワーズ
旅立つ秋



今、こうして列挙してみても素晴らしい曲ばかりだ。
ちょっぴり湿っぽい曲風が多かったフォークソング群とは
一線を画した、乾いた雰囲気を醸し出している。
このアルバムのヒットにより横浜山手の「ドルフィン」に
多くの女性客が繰り出した。


山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える

<海を見ていた午後  作詞:荒井由実>


いわば、ひとつの時代を創ったアルバムだった。
その後の彼女の活躍は改めて書く必要はないだろう。
卒業写真」「何もきかないで」「ルージュの伝言
少しだけ片想い」をヒットさせ、「あの日にかえりたい」へと
続いた。

あの日にかえりたい」の歌詞は素晴らしい。

今 愛を捨ててしまえば
傷つける人もないけど
少しだけにじんだアドレス
扉にはさんで帰るわ あの日に
<作詞:荒井由実>

こんな詞を書いてみたいものだ。