2025年8月6日水曜日

指揮者のピンチをマジックインキで切り抜ける   2025.8.6

魚の群れ(Bing Wallpaperより)




70歳の誕生日を迎えた。


すでに亡くなった同級生も複数人いるから、今日まで生かされたことに感謝したい。
そしてこの先、どこまで行けるのか。
どうしてもそれは考える。


過去の思い出はきわめて断片的である。
強く記憶に残るエピソードや場面もいくつかあるが、いずれもぼんやりとしており鮮明さは伴わない。
うれしかったこと、不快だったこと、悲しいことは不定期に思い出す時がある。


そのうちのひとつ「指揮者のピンチをマジックインキで切り抜けた一件」はかつて書いたと思う。
道塚小学校1年か2年のこと。
音楽発表会で先生から指揮者に指名された。


指揮者は舞台の上で観客に背を向けてタクトを振る。
私の後頭部には目立つハゲがある。
リハーサルで観客(同級生)がそのハゲに気づき、「あっ、Kくんハゲがある!」と大きな声で叫んだ。


それ以来、私は本番で指揮者を務めることをとても苦にした。
両親に指揮者をやりたくないと訴えた。
そして、両親が編み出したのがハゲに黒マジックインキを塗ることだった。


黒マジックの威力は抜群で、何事もなく指揮者を務めることができた。
アイデア次第で難局をなんとか切り抜ける方法があることを学んだ。
古希を迎えた今でも忘れられない幼い頃のエピソードだ。