2007年6月20日水曜日

会社は誰のもの?   2007.6.20


写真    

東海大学湘南キャンパス
撮影 6月20日 10:48




企業の敵対的買収が日常的になってきた感がある。


ライブドア  to  ニッポン放送
楽天  to  TBS
村上ファンド  to  阪神電鉄
スティール・パートナーズ to 明星食品
スティール・パートナーズ to サッポロビール
スティール・パートナーズ to ブルドックソース


明星食品は日清食品の傘下に入り終結したが、その過程で
スティール・パートナーズ(以下、盗賊S社)は高くなった明星食品株を
売り抜けて、まんまと巨額の富を得た。
私はこうした悪質な投資ファンドが跋扈(ばっこ)するたびに、
資本主義は皮肉なものだと痛感する。
資金さえあれば合法的に株の売り抜けができてしまうのだ。
こんなことがいつまでも許されてよいはずがない。


悪人どもの手口は共通している。

①狙いの会社の株を買い増ししていき、或る日突然「経営に参加したい
のでさらに株を買い集めます」と宣言。 
狙いの会社にプレッシャーをかける。 
大量取得する方法としてTOB(公開買い付け)がある。 
TOBとは、「A社の株をお持ちの皆さん! 私達は今なら200円のA社株を
400円で買いますよ。 売りませんか?!」と言って買い集める方法である。
A社株を持つ人にとっては高く売れるから、魅力ある提案になる。


②狙われた会社は投資ファンドに買われるよりも同業他社に吸収・合併された
ほうがマシと考え ホワイトナイト(お助け会社)を求める。 
サッポロにはアサヒがホワイトナイトになるのでは、と報道された。


③ホワイトナイトは「私どもにA社株を売ってくれるなら、盗賊S社よりも高い
500円で買いますよ」と宣言し A社株を集めてA社を傘下に治めることになる。
 その過程でA社株をたくさん持つ盗賊S社も500円で売るから、結局、
盗賊S社は儲かって笑いが止まらない 。


狙われた会社にしてみたら、将棋で言うところの王手をかけられたも
同然である。
盗賊に買われるか、ホワイトナイトに買われるかの二つにひとつだ。
私は遠からず悪質投資ファンドには天罰が下される、と確信している。

ライブドアと村上ファンドは日本政府の手により放逐された。
世の中に付加価値を提供しない恫喝的手法のマネーゲーム。
それで富を蓄えることが許される社会ではいけない。
盗賊たちは「合法的だ」と言うのだろうがそれは間違っている。
悪人どもの悪知恵に法律が追いついていないだけだ。



遠からず、必ず法は整備されると思う。



こうした盗賊から会社を守る方法。
①自社株を盗賊が買えないようにする。
上場廃止する会社が出てきているのはそのためである。

②高い業績を維持して自社株価を高くし、盗賊が「高すぎて買えねえや」と
思わす。

③市中株を買い戻して自社保有比率を高めておく。



悪人達は「企業は株主のもの」と主張する。
一見、その通りと考えがちだが私は明らかに間違っていると思う。
企業は株主だけのものではない

その会社を支持しユーザーとなっている顧客のものでもある。
その顧客に献身的に奉仕する従業員のものでもある。
そうした従業員を管理・監督する経営陣のものでもある。
そして、スポンサーである株主のものでもある。

これが正しい。


人生、金だけにあらず。
企業もしかり。
私のこの信念に揺らぎはない。