2015年12月12日土曜日

ホンダジェット   2015.12.13

渋谷駅





ホンダジェット(HondaJet)が米国連邦航空局の型式認定を取得した。
かねてから米国内でパイロットによる試験飛行を重ねてきたが、
これで晴れて顧客へ納入することが可能になった。
大変うれしいニュースである。



日本メーカーの航空機では三菱の MRJ が先に有名になった。
MRJ は旅客機だから顧客は航空会社になる。
いっぽう、ホンダジェットはビジネスジェットというカテゴリーに属する小型機で、顧客は個人や企業経営者がビジネスで利用することを想定している。
1機あたり5億円強。
国土の広い米国ではビジネスジェットが約2万機保有されているそうだ。
ホンダジェットは納入前から好評で、すでに100機以上の受注残を持っているという。




私がホンダジェットの存在を知ったのは4月放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)である。
ホンダエアクラフト社の藤野道格氏(社長)に密着取材した番組にはとても感動した。
氏は東大工学部航空学科を出てホンダへ入社。
入社3年目でジェット機作りを命じられた。
以来30年、ずっとホンダジェット開発に会社人生をかけてきた。
世界に冠たる企業で社史に残る業績をあげるであろう氏の努力と才能に脱帽する。




航空機は高い部品精度を求められるので、住友精密工業(尼崎市)が中核となり日本各地の優れた協力工場が部品製造を担っている。
協力工場の社長さんもホンダジェットを成功させるため、社運をかけた新規投資を行った。

「今はまだ”地方のメッキ屋”ということで、名前も知られていないけれども、石川県からホンダジェットに乗って世界に飛び立つという、そんなイメージですね」(浅下鍍金 浅下社長)



安定した品質のパーツを量産する技術を日本の中小企業は持っている。
日本の製造業はやはり優れているのだ。