2009年8月12日水曜日

初恋  2009.8.12


          野に咲く花   撮影:8月12日



初恋について書く。
62歳で他界した大原麗子のこともあり、記録として書いて
おきたいと思ったからだ。



私は大田区立道塚小学校を卒業した。
その小学校はかつての自宅から歩いて3分の至近距離にある。
細かい日常は今となっては記憶が薄れてしまったが、それでも
いくつかのシーンは断片的ではあるがフラッシュバックする。
そのなかで、忘れられない思い出がひとつある。


卒業直前の3月の午後だった。
担任と男女数人で6年1組のお別れ会準備を行っていた時のこと。
H・S(女性)さんから、「これ」と渡された一冊のノート。
彼女に対するメッセージをクラスメイトに書き求める寄せ書きだ。
当時の女子は自分たちで用意して、そんなことをしていた。
男子ではそんな気の利いたことはできない。


あの頃、私はH・Sさんに幼い恋心を抱いていた。
初恋と呼んでいいと思う。
憂いと落ち着きがあり、凛とした雰囲気の彼女に惹かれていたのだ。
しかし、当時の私は小学6年生のガキである。
気持を伝える術(すべ)も度胸もなかった。
彼女に渡されたノートにどんなことを書いたのかはまったく記憶が
ない。
おそらく月並みなことしか書けなかったのではなかろうか。
でも一生懸命に書いたであろうことだけは確かだ。


その後、H・Sさんと同じ中学に進学したが同じクラスになることは
なかった。
別の女子に心を惹かれたことも事実で結局、彼女とは小学生の時のように
親しくおしゃべりをする機会もなく卒業。
その後、一度も会うことはなく今に至っている。


そんな茫洋とした初恋であった。